家庭内別居が原因?中学生の子供の不登校相談
中学生のお子さんが不登校になってしまいこれからどうしていけばよいか?という相談が届きました。
抱えている問題として「不登校の理由を親に話してくれない」「家庭内別居など夫婦間の不和」があるそうです。
相談内容とカウンセラーからの返答を紹介します。
中学生の子供の不登校について
こんにちは、はじめまして。子供が不登校になって1ヶ月が経ちました。(今までも1週間程の休みは数回ありました)子供は中学2年生(男)です。
先月上旬に職場体験があり、自分が好きな企業で楽しく過ごせていましたが、その体験直後に学校に行けなくなってしまいました。
もともと学校は楽しく通えていた方ではありません。
初めはいつもの1週間程休んで学校に行くパターンだと思っていましたが、今回初めて学校に行きたくないと泣いてしまい、それ以降家で引きこもりです。
本人は私には理由を言いませんでしたが、担任の先生には少し話したようです。
イジメがあるようではないが・・・
特にイジメがあるようではないそうですが、ちょっかいを出してくる同級生や、心無い言葉をあびせる同級生がおり、また何かされるかもしれない、怖いと思うようになっているそうです。
学校の対応として
- 席替えをして仲の良い友達と近くの席にし、安心感を与える
- 個別に家庭訪問等で相手の親御さんも含め、この様な状況である事と今後この様な事はしない約束をさせた
- こちらへは毎日の連絡または家庭訪問
ですが、やっぱり行けない。
担任からは、こちらで出来ることはしたし、来れないのは何故だろう?と言われ、正直それで学校へ行ける子なら不登校にはならないような…と思ってしまいました。
家庭環境、家庭内別居
家庭環境も悪く、私の両親はそれのせいだと言います。
戸籍上の配偶者との事で、私が最近まで鬱状態で通院もしており、その事も子供に影響を与えているのかと思うと、申し訳ない気持ちしかありません。
現在、家庭内別居中で、今回の子供の件では少し話しをしましたが、私が相手を拒否で受け入れられないので、子供の事とは分かってはいるものの、しっかりと話しをする事は出来ません。
子供の父親は、仕事ばかりの人で、子供にどう接していいか分からない人です。
今朝、子供には辛い事を言ってしまいました。
学校へ行けとか、これからどうするの?とか…少し落ち着けて、今度は涙が止まらず、です。
長々と申し訳ございません。よろしくお願い致します。
相談者: さゆりさん
「家庭内別居が不登校の原因?」への返答
さゆりさん、初めまして。子どもの不登校に悩むママ支援カウンセラーの田中シズミです。
息子さんの状況を拝見しました。中学2年生でこれから夏休み・・・ということもあり、お母さんとしては息子さんの学校へ行くきっかけがますます少なくなるのではないかと心配が増しますね。
息子さんは思春期ということもあり、おそらく優しい性格からも人間関係における様々な刺激を心の中に思い留め、「学校に行かない」という手段を今は選ばれたのではないでしょうか?
お母さんに話せない子供の気持ちについて
「担任の先生には話ができたが、お母さんに話ができない」ということから、お母さんのことが大好きでお母さんを心配しているため、お母さんのお病気のこともあり、「自分のことで心配をかけてはいけない」という息子さんのお母さんへの愛が感じられます。
さゆりさんが心配なさっているように、家庭内におけるご夫婦の問題は少なからずお子さんへ影響すると思います。かといってお子さん全部が不登校になるというわけではありません。
不登校に限らずお子さんのメンタルへの影響があった場合、それをお子さん自身が処理解決できる場合もあれば、不登校のように症状として出る場合もあります。
ご夫婦にとっての「結婚」はお二人の約束で結ばれているので二人の同意があればその約束を破棄することも可能です。
しかし、親子関係の場合は血縁ですので、その結びつきは切ることができません。
子どもは母から生まれることはこの世の常であり、たいていの場合は父親よりも母親と過ごす時間の方が長くなります。また、日本のお父さん方は仕事が忙しく、家庭よりも仕事を優先しがちになる傾向があることも日本の社会全体として認識されています。
お父さんがお仕事に没頭されているのはお父さんなりのご家族への愛情表現なのでしょうね。
子供に言ってしまった言葉について
夫婦間のことや息子さんのことなど、心配事が重なり、お母さんとしてもそれらの問題を心で処理しきれず、つい一番身近にいる息子さんを責める形で辛い言葉を口にされたのですね。
お母さんが息子さんに発した言葉は、言葉は違いますが、お母さん自身の置かれている立場からのジレンマをご自分自身に発した言葉のようにも思います。
息子さんを責めることでお母さん自身を責めておられるように感じます。
息子さんはお母さんの言葉を聞いてどのような反応をとられたのでしょうか?お母さんの言葉に対し何か言い返されましたか?
息子さんなりにお母さんの状況を理解されていると思われますので、反論されるというよりは何も言い訳せず、余計に引きこもられたのではないでしょうか?
不登校は子供だけの問題ではない
息子さんの不登校の問題は息子さん一人の問題ではなく、家族関係や友人関係やご本人の生き方、考え方など複雑に絡み合っての問題だと思います。
息子さんの不登校問題だけでなく、ご夫婦の問題の解決にも取り組まれることが息子さんの不登校克服の一番の近道だと思います。
息子さんのことも含めご夫婦で息子さんの目や耳のないところで一度時間をとって話し合われてみてはいかがでしょうか?
お母さんの心も息子さんの心も今は不安定なので、お母さんの心をまずは安定させることが必要だと思います。
一日も早くご家族の皆様の心の絆が強められますように願っています。
子どもの不登校に悩むママ支援カウンセラー田中 シズミ(プロフィール詳細を見る)
はじめまして、さゆりさん。カウンセラーの後藤です。よろしくお願いいたします。
さゆりさんは、息子さんの不登校のことで、しかもご自分の病気が息子さんに影響を与えたのではないかと悩んでおられるのですね。
それは本当に辛いことですよね。お察しいたします。
しかしさゆりさんのご病気が、息子さんの不登校の直接の原因ではないと思われます。ご自分を責める必要はありません。
子供への発言に対する後悔について
さゆりさんは息子さんに対して「学校に行け」とか「これからどうするの?」などと言われたことを後悔しておられるようですが、心配はいりませんよ。
なぜなら、息子さんは不登校の理由をお母さんには言われず、担任の先生だけに話されたからです。それはきっとお母さんに心配をかけたくなかったからでしょう。
そんな優しい心の持ち主の息子さんなら、お母さんのお気持ちをきっと解っておられます。
殆どの男の子は、母親に対して優しい言葉をかけることが苦手です。息子さんは何も言われなくても、今のさゆりさんのご心労を感じ取っておられるのではないでしょうか?
息子さんが不登校の理由を担任の先生にちゃんと話されたということは、息子さんは勇気があります。立派です。
またその担任の先生が、息子さんの訴えに対してきちんと対応してくださる方でよかったですね。それはとても心強いことです。
息子さんが「また何かされるかもしれない、怖い」と訴えておられるということは、息子さんは本当に怖くてたまらないのでしょう。
同級生が息子さんにちょっかいを出したり、心ない言葉を浴びせたりしたということは、その子たちがほんの軽い気持ちでしたことかも知れません。
しかし息子さんにとってそのことはきっと大きなショックだったのでしょう。“トラウマ“となって、教室に足を踏み入れることですら“恐怖”に感じておられるのではないでしょうか?
母親として今出来る事は?
さゆりさん、どうぞ息子さんに優しく寄り添って、息子さんを安心させてあげてください。決して無理に登校させるようなことはしないで、家を息子さんにとっての居心地の良い場所にしてあげましょう。
職場体験で楽しかったことや息子さんの興味のあることを聴いてあげましょう。
さゆりさんから質問するのではなく、“息子さんの話したいことを、息子さんが話したい時に聴いてあげる“ことを心がけてください。
そして息子さんが辛かったことや嫌だったことを話された時には、それをきちんと受け止めて共感してあげてください。
息子さんが落ち着かれて、家で明るく過ごされるようになられてから、担任の先生とも相談されて、息子さんが徐々に学校に慣れていかれるようにしてあげることをお勧めします。
学校にスクールカウンセラーがいらっしゃれば、その方と担任の先生とで連携をとっていただくとよいと思います。
中学校は義務教育なので、たとえ出席日数が足りなくても留年はありませんし、卒業もちゃんとできます。
ですから決して焦る必要はありません。さゆりさんが、のんびり、ゆったりとした気持ちで息子さんに接してあげることで息子さんのお気持ちが、ずっと楽になられるはずです。
夫婦間のトラブルの子供へ影響について
ご夫婦間のトラブルが、息子さんに精神的負担を全く与えていないとは言えないと思います。
できればご夫婦が仲良くされることが息子さんにとって一番よいのすが、それがどうしてもできなくて今の状態が長く続くようであれば、そのことについて息子さんにきちんと説明されるべきではないでしょうか?
その場合、息子さんのお気持ちを大切に考えながら、息子さんに解りやすい言葉を選んで伝えてあげる必要があります。
それからもう一つ気を付けなければならないのは、ご主人のことを決して悪く言ってはいけないということです。
ご主人の仕事が忙しいことを強調されて、「本当はあなたのことをとても気にかけてくれている、いいお父さんなのですよ」というような感じで話してあげてください。
ご夫婦にどんな事情があるにせよ、ご夫婦と息子さんとが一つ屋根の下に一緒に生活されておられる以上、これはとても大切なことです。
さゆりさんのご病気は完治されておられるのでしょうか?もしもまだならば、主治医の指示に従って、出来る限り治療に専念してください。
そしてたまには外に出かけましょう。お友達とお茶を飲みながらお喋りをしたりして、気分をリフレッシュしましょう。
今のさゆりさんにとって、そのような時間が必要です。そうすることで気持ちに余裕が持てるようになります。気持ちに余裕があれば自然に、息子さんに対して優しいお母さんでいることができます。
しかしさゆりさんご自信が辛い時は、無理はされず、息子さんには「お母さんは今少し気分が悪いので、ちょっとだけ休ませてね。休めば直ぐによくなるので、心配しなくて大丈夫だから」などと言われて、充分に休みましょう。
誰にも遠慮する必要はありません。また「お母さんはこのように時々体調が悪くなる病気だけれど心配はいらない」というように説明してあげてください。
さゆりさんが健康を取り戻されて明るい気持ちでおられることで、家の中もきっと明るくなるはずです。
どんなことも、決して焦らないで、ゆっくりと進めていきましょう。
カウンセラー後藤より(プロフィール詳細を見る)
不登校解決への近道を知るには
不登校解決への近道は、「子供に寄り添い、話を聞いてあげる事」です。
たったこれだけの事で効果はきちんと現れます。
あなたは「私はちゃんと子供の話を聞いている!」
と思うかもしれません。
でも本当に出来ていますか?
「子供の話を聞いてあげる、そして親子で一緒に答えを出す」
という方法で多くの親子が不登校の問題を解決している事例があります。
参考にして下さい。
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