フリースクールと適応指導教室などの違いまとめ。
子供の学校復帰、自信回復のために支援してくれるフリースクールや適応指導教室。今では、様々な機関が不登校に対してそれぞれの立場から支援をしています。
では、それら支援機関の違いや特徴や目的とは何なのでしょうか。また、それぞれの支援機関を不登校におけるどのタイミングで活用するかも紹介します。ちなみに適応指導教室は教育支援センターと正式名称を変えていますが、今でも適応指導教室の方が広く知られた名前です。
それぞれの目的の違い
それぞれの目的の違いを大まかに説明します。
フリースクール | 規則や学校の指導要領に縛られず子供の個性を伸ばし、学びと居場所を与える |
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適応指導教室 | 学校復帰・卒業後の進路の決定へ向けた学習面や心理面での援助を学校と連携しながら行う |
相談室・保健室登校 | 学校へはいけるが、クラスに居場所がない子供のために養護教諭やカウンセラーによる学校内の居場所作り |
フリースクールや適応指導教室には大小含め様々ありますので、上記に挙げた点以外にも様々な目的やポリシーに違いがあるという事を知っておいてください。
それぞれの特徴や活用タイミング・運営の仕方の違い
ここからはそれぞれの特徴や運営方法・出席の取り扱いについて詳しく書いていきますが、すごく長くなっていましました(汗)目次を活用してください。
目次
- 適用指導教室の特徴
- フリースクールの特徴
- 保健室登校の使い方
- 相談室登校の使い方
- まとめ
⇒運営の仕方・利用料金や出席日数について・活用タイミング・教室の選び方など
⇒活動内容・運営の仕方・利用料金や出席日数について・活用タイミングについて・スクールの選び方についてなど
⇒良い所・認められない時は・活用タイミングなど
⇒良い所・活用のタイミングなど
⇒それぞれの特徴や違いを簡潔に
適応指導教室の特徴
一言でいうと、もう一つ学校です。適応指導教室は、区市町村などの自治体が運営しているところがほとんどです。指導員は元教員や臨床心理士などの心理士、教員や心理士を目指す学生などです。大体は小集団のところが多いのですが、中には個別のところもあります。
適応指導教室は学校復帰が主な目的
「適応指導」とい名前通り、あくまで子供自身が学校復帰を望んでいることが前提の教室ですので、子供に学校へ戻りたい意思があるかを入室条件にしているところが多いです。
運営の仕方
運営の仕方は場所によって異なりますが、その子に合わせた学習を行なってくれたり、体を動かしたりみんなで遊んだりなど、学校とは違った異年齢の集団で活動したりもします。
学校のような強固な決まりは少なく、自我を尊重してもらえることも多いので、子どもたちは、自分をとりもどし、徐々に自信をつけていき、元気になったり、勉学に励むようになる子どももいます。
学校へ戻るためのステップ
もう一つの学校とでもいう場で経験を積み、そこからだんだんに本来の学校へと戻っていくことになります。位置づけとしては、準学校ではありますが、本来の学校へ戻るためのステップとしているところが多いです。
もちろん、指導員との相性もありますが、どの不登校のタイプにも使える場で、学校より小集団のこの適応指導教室でクラスに戻る練習をするのに大変最適ですし、学習の遅れを取り戻すのにも適しています。
親の支援
また、子どもだけでなく、親の支援も行っている教室もあります。カウンセラーとのカウンセリングや、親同士の交流の場で同じ悩みを共有出来たりする機会もあります。
利用料や出席日数について
公的な機関ですので、基本的には利用は無料です。学校との連携もしていますので、指導教室に出席していれば、学校も出席扱いにするところが多いです。
適応指導教室をどのタイミングで利用する?
学校に復帰したいという気持ちが子供にあれば、どのタイミングでも活用できる機関です。当然ですが、出席日数として認められるからと言って入室を無理にすすめてはいけません。子供の希望を尊重しましょう。
教室の選び方
今では、日本中に教室がありますが、学生ボランティアもいる事の影響か、残念なことにあまり評判がよくない教室もあります。一つアドバイスするとしたら、連絡せずに見学に行ってみる事です。その時に職員がどうやって対応してくれたか、他の子供は元気に生活しているかを見るようにしてください。
フリースクールの特徴
フリースクールは自由な生涯学習
フリースクールのはいわば、「自由な生涯学習の場」です。学習指導要領にとらわれず、子供自身の興味のある事を重点的に教えてくれたり、学校では出会えない様々な年代の人と交流もできたりします。
いわゆる社会人とも交流できる
親御さんも学生時代を思い出してもらうと分かると思いますが、学校に通っていると先生以外の大人と話す機会はほとんどありません。学校の先生というのは、大学を卒業してからすぐに教員になる場合がほとんどですので、今の社会の実態を実はあまり分かっていない場合が多いです。
一人一人へ配慮
フリースクールでは一人一人の子供の希望を最大限叶えようとしてくれるので、子どもが希望すれば将来興味のある職業を体験したり、話を聞きに行ってみたりといわゆる「社会人」との交流も仲介してくれたりします。
また、フリースクールの職員にも元塾講師や元サラリーマンなど様々な経験をしている人が多いですので、子どもの希望次第でどんどん可能性を広げられるのが魅力の一つでしょう。
運営の仕方・入学金や料金
フリースクールは主に民間の団体が運営していますので、基本的にお金が掛かります。支払うお金の種類は入学金とあとは月額や年額で払います。
寮のあるフリースクールなんかだと月々10~20万円ほどのスクールもあります。小さなところだと、入会金で1~2万、月々で2万~5万円ぐらいでしょうか。学校の規模によって金額も変わりますので、資料を請求して比較してみたり問い合わせてみたりするのがいいでしょう。⇒フリースクールの料金や必要な費用についてはこちら
出席日数や通学定期券について
フリースクールは民間団体ですが、在籍している校長先生の承認が得られれば、出席扱いとするようなルールがあります。なので、校長先生に問い合わせてみるか、通いたいフリースクールで過去に出席扱いになった事例はないかスクール側に聞いてみるといいでしょう。
ただし、義務教育である小学校・中学校は幅広く適用されていますが、高校ではなかなか認められていないのが現状です。出席日数と認められれば通学と同じですから、電車やバスの通学定期券も購入可能です。
フリースクールの選び方について
フリースクールの選び方で一番大事なのは、子どもが何をしたいかという事です。「今これをやりたいけど、いろいろな事情でできない」という事を叶えてくれるスクールを選ぶのが一番大事です。あとは、金額面や出席の取り扱いについてご両親と子供とで相談して決めましょう。もちろん決める前に直接学校へ行って説明を受けたり、見学をするのは必須です。
フリースクールをどのタイミングで利用する?
フリースクールを活用するタイミングはまず、子どもに元気が戻って来ている事が前提にあります。フリースクールに通えば職員やすでに通っている子供などにも会うことになりますので精神的に多少の負担は掛かります。「子供が暇だなー」と言い始めたりした時がいいでしょう。
親から先に言い出す時は注意
ただし、一番ベストなのは子供自身から「ここに通いたい」と言ってくることです。親の方から先にフリースクールの資料を子供に見せたりすると子供にとってはプレッシャーになります。子供が本当に暇そうで、元気が有り余ってる様子ならカウンセラーなどと相談して、子どもに提案してもてもいいでしょう。
保健室登校の使い方
養護の先生と相性が合うようでしたら、これはおすすめです。なぜなら、学校の教室に一番近い場だから。復帰する際も、段階をふんでクラスに戻っていくことが可能です。ただ、学校によっては認めていないところもあります。
養護の先生は子供を「勉強ができる子」や「規則を守れるか」といういわゆる学校の先生らしい視点では見ず、子供一人一人の考えていることや悩んでいることを聞いてくれますし、無理に教室に入れたりという事もありません。
子供に併せて利用できる
保健室登校は一日中利用する子もいれば短時間だけ来る子、給食の時間だけ来るなど。不登校になりかけの頃やあるいは長期化した際にも利用しやすい場です。まずは、短時間から過ごしたり、自分が苦手な授業のときだけ利用させてもらったりなど、割と子どもに合わせて利用できるようになっていると、復帰にすごく役立ちます。
保健室登校が認められない時は
もし、養護の先生が厳しいタイプであまり保健室登校を認めない場合、副校長や校長など管理職の先生からお願いしてもらうと可能になる場合があります。子どもを甘やかすことになるから認めないという学校もありますが、本来はワンクッション置ける場があるのは復帰に非常に役立ちますので、できるなら保健室登校を行うといいと思います。
保健室登校の良い所
一度保健室とつながっておければ、無理して教室に戻ったあとも、調子が悪くなったり辛いときはいつでも休みにきていいと思え(できれば学校側が言ってくれると効果大)、だいぶ気持ちが楽になるので、復帰しやすくなります。
活用タイミング
保健室登校の活用タイミングは学校を休みがちになったり、すごくしんどそうに学校に行っていて、不登校になりそうな時に、辛いときは保健室にいってもいいんだよと一声かけてあげるといいと思います。また、学校復帰の初期段階で保健室登校から始めてみるのも良いです。
相談室登校の使い方
学校には臨床心理士やその他のカウンセラーによる相談室が完備しているところが最近では一般的になりました。学校によって、週一回しか開かれていないところもあれば週三回開いているところもあるなど、学校によっても違いますが、週に1~数回利用できる学校がほとんどです。
学校の事情が把握できる
相談室が運営している時だけ、相談室登校から始める、という手もあります。これも学校によるのですが、非常に効果的な方法です。やはり、学校の中にある相談室ですので、事情が把握できますし、不登校の学校での環境要因を軽減することが可能です。
カウンセラーよる仲介
例えば、不登校の原因が先生との関わりだとします。そうすると、カウンセラーが間に入ってもらうことで、先生に上手に伝えてもらって誤解を解いたり、安心して教室に入れるように協力してもらったりしてもらえます。
最初は、相談室にしかこなかったのが、一日一時間でも教室に戻れるようになっていったりもします。また、休み時間などに先生が相談室に訪れて、カウンセラー同席のもと一緒に話したりすることも可能です。先述した保健室登校とセットで利用できると、復帰しやすくなります。
活用タイミング
相談室も保健室同様に、不登校になりそうなときや学校復帰の第一段階としてすこしずつ利用していくのが良いです。
適応指導教室・フリースクール・相談室・保健室登校の違いまとめ
適応指導教室
学校復帰へ準備するための場所、出席扱いになる、料金は無料。子供に学校復帰の意思が出てきたときに使う。
フリースクール
子供に自由な学びを与えてくれる場所、出席扱いは各々違う、料金は有料。子供が自分から行きたいといった時がベスト。
保健室・相談室
学校に教室以外の居場所を与えてくれる。不登校になりかけ、または復帰への最初のステップで使う。
以上が、不登校の子供の居場所作りを支援してくれる機関の特徴と違いです。
不登校解決への近道を知るには
不登校解決への近道は、「子供に寄り添い、話を聞いてあげる事」です。
たったこれだけの事で効果はきちんと現れます。
あなたは「私はちゃんと子供の話を聞いている!」
と思うかもしれません。
でも本当に出来ていますか?
「子供の話を聞いてあげる、そして親子で一緒に答えを出す」
という方法で多くの親子が不登校の問題を解決している事例があります。
参考にして下さい。
[フリースクール・適応指導教室の違いと保健室/相談室登校まとめ]に関連する記事
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