通信制高校の選び方・完全版

通信制高校の選び方比較

そろそろ進学のタイミングが近づいてきている、どうしたらいいんだろうというのも、悩むところだと思います。

 

通信制高校は登校日数が、全日制や定時制と比べて少ないため、中学時代に不登校だった子供でも無理なく通う事が出来る高校です。もちろん、卒業すれば高校卒業資格が得られるので、その後の専門学校や大学進学への道も開けます。

 

今では、日本全国にたくさんある通信制高校ですが、どのように選べばいいのか迷っていらっしゃる方も多いと思います。そこでいくつか通信制高校を選ぶ上で比較すべき点を挙げていきます。

 

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通信制高校の選び方3つのステップ

通信制高校を選ぶステップとしては

という3つのステップで選ぶことをおすすめします。それぞれの項目で注意点などありますので、あなたの状況を整理しながらご覧ください。

 

通信制高校の比較ポイント6つを知る

ここでは、通信制高校を比較して選ぶための6つのポイント「不登校へのサポート」「通学範囲」「学費」「登校頻度」「学べる専門分野」「学習方法の多様さ」について紹介します。

 

不登校に対してのサポート体制で比較する

通信制高校の中には不登校の生徒に対してしっかり対応していく姿勢をアピールしている所もあります。カウンセラーと提携していたり、自宅訪問をしていたりと、学校へ行くことに不安を感じている生徒でも安心して通えるような環境作りを実施しているところもあります。

 

中学校のように毎日登校するわけではないからこそ、通学するという事になかなか慣れない事もありますので、そのあたりもしっかり確認しましょう。

 

通学範囲で比較して選ぶ

通信制高校はあなたが住んでいる地域ごとに入学できる学校と出来ない学校があります。正式名称を使うと、「広域通信制高校」と「狭域通信制高校」の2つの種類に分けられています。

 

広域と狭域

「広域」は別々の3つ以上の都道府県や全国から入学できる高校で、「狭域」は高校がある県と隣接する1つの県からの入学が可能な高校の事を指しています。

 

公立の通信制高校は全て「狭域」となります。私立には「狭域」と「広域」の2種類が存在します。

 

通信制高校は登校日数が少ないとは言え、あまりに遠いと通学意欲も削られますし、交通費も嵩みます。また早起きが必要になったりするので、出来るだけ無理なく通える範囲の高校を選びたいところです。

 

広域通信制に全国から通えるしくみ

広域通信制高校は全国にその高校の施設があったり、他の高校から施設をスクーリング場所として提供してもらたりしています。なので、広域通信制高校の本校が遠く離れた都道府県にある場合、現在住んでいる所から一番近いその高校の施設などへ通学することになります。

 

公立の通信制高校の探し方

公立の通信制高校の探し方は「住んでいる都道府県 公立通信制高校」と検索してみると出てくるはずです。(追記:全国の公立通信制校を一覧にしました

 

ただし、公立の高校のHPなので、説明が不十分だったり、資料請求システムなどがあまり整っていない学校も多いですので、資料請求や見学を希望する場合は直接メールするか電話するようにしてください。

 

広域通信制高校を選ぶときの注意点3つのポイント

 

誇大広告は無いか

2016年の3月に三重県伊賀市の「ウィッツ青山学園高校」という広域通信制高校のいい加減な授業内容や就学支援金の不正受給などが問題になりました。

 

また、その後の調査で全国の13校の高校がHP上で就学支援金を高校独自の割引システムに見せかけて表示していたり、茨城県の私立晃陽学園高校が運転免許費用無料!と宣伝し、支援金の対象外である免許取得費用を授業料に含めたりと、HP上で誇大広告を行っている私立の高校も少なからずあります。

 

いくつかの高校の資料と比較したり、直接問い合わせるなどして、矛盾やおかしい所はないかじっくりチェックしてみてください。

 

13校について調べたが・・・

全国の誇大広告を行っていた13校について調べましたが、何故か茨城県の私立晃陽学園高校以外の高校名は探すことができませんでした。

 

教師一人当たりの生徒数は適切か?

平成26年1月に文部科学省が、広域通信制高校を調査した結果、半数以上の高校が教員一人当たりの生徒数が15人以下という結果になりました。しかし、中には教員一人当たりの生徒数が100人を超えてしまうような学校も存在するという事実がありました。(全日・定時制の平均は11.3人です)

 

教師一人当たりの生徒数は、当然少ないほうが教師側にもゆとりができますので、より一人一人に併せたサポートがしやすくなります。是非、資料請求やHPをじっくり見るなどして検討してみてください。

 

添削指導の方法はどうか?

こちらも先ほどの調査の結果ですが、生徒が提出したレポートの添削を○か×か、または正解を記入するだけで返却している高校が約半数あることも分かっています。残りの半数は生徒の状況に合わせた回答の解説や対面指導を行っているようです。

 

これも、生徒の立場に立ってみれば、○か×かだけでなく、解説までつけてくれたほうが親切ですよね。こちらに関しても、ちゃんとした高校なら問い合わせれば快く答えてくれるはずです。

 

文部科学省の広域通信制高校の詳しい調査結果はこちらからどうぞ

 

学費を比較して選ぶ

続いては、学費です。親としては気になるところですが、通信制高校の学費はどのくらいかかるのでしょうか。まずは、公立と私立に分けて見てみましょう。

 

公立の通信制高校の学費

公立の通信制高校の場合多くは入学金や単位ごとの料金や課外活動の費用も含めて年間2~3万円の学校が多いです。その他に通学のための交通費やレポート提出のための郵送費が必要になります。

 

ですので、3年間の合計費用で10万円前後で卒業まで行けることになります。さらに世帯の所得に応じて、就学支援も受けることができるのでさらに負担も減らすことができます。

 

私立の通信制高校の学費

ズバット通信制高校比較というサイトを見ると、年一回のスクーリング合宿のみの高校だと年間約30万円、週3日登校するコースの場合は年間約55万円となっています。就学支援金がどちらの高校でも適用できるので、支援金を申し込めば12万300円還付されます。

 

このように、私立の通信制高校はスクーリングの頻度によって大きく学費が変わってきます。また、美容や栄養、スポーツなどの専門科目を選択するとさらに学費が増えることになります。

 

通信制高校の学費

 

学費は公立の方がかなり安い

このように、公立と私立の通信制高校では、学費の大きな開きがあります。授業料だけで見ると、公立の方が良さそうですが、学習のサポート面や実際の卒業率などを見ると、必ずしもそうとは言えません。詳しくは公立と私立の通信制高校はどちらを選ぶべき?をお読み下さい。

 

登校頻度を比較して選ぶ

通信制高校は1日も登校せずに卒業することはできません。出来るだけ登校頻度を減らしたい場合は私立の通信制高校が選択候補になってきます。また、登校頻度が少ない高校ほど学費も安くなる傾向があります。

 

登校頻度は選べる

私立の場合は、全日制の高校と同じような週5日の高校や週1日、月に1日、年間で2~3日のみといった、様々なコースが設定されています。また、私立の場合は設定したコースを在学中に変更することもできるので、幅広い選択ができるようになっています。

 

ただ公立の場合は一律で決まっているので登校頻度を自由に設定することはできません。

 

学びたい専門分野で比較する

私立の通信制高校の場合、美容やファッション、スポーツ、栄養など専門的な分野の資格を取ったりするための専門講師が在籍してい場合もあります。また、大学進学のための進学コースもありますので、将来のやりたい事や夢をサポートしてくれる高校を選ぶことができます。

 

ただ、公立の場合はコースは通信制コース1つしかなく、専門的な勉強や実習、大学進学のための勉強は自分で取り組まなければなりません。将来のために学びたい事がある場合、私立の通信制高校はとても役に立つ選択肢と言えます。

 

学習方法の多様さで比較する

通信制高校によっては、授業をネット動画で受講出来たり、中学校の勉強にいまいち自信が持てない場合、そこから教えてくれたり、一人一人に合わせた学習方法を提供してくれる高校があります。レポートの提出もネットを通じて出来る高校もあります。

 

また、サポート校と提携している通信制高校はレポート提出について添削してくれたり、レポート提出計画を管理してくれたりと手厚いサポートも受けられます。

 

ただし、このような手厚いサポートは私立のみで、公立の場合はネット動画はもちろん無く、中学のおさらいなども期待できません。

 

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効率よく通信制高校を比較する方法

これまで見てきた比較ポイントについては理解できたでしょうか?たくさん比較ポイントがあって迷ってしまいますが、これらを効率よく比較するにはやはり、それぞれの通信制高校のパンフレットを比較してみるのが最も効率の良いやり方です。

 

ただ、それぞれの高校のHPを探して、いちいち住所を記入するのも大変な作業です。なので、資料一括請求サイトを使いましょう。こちら⇒ズバット通信制高校比較

 

資料一括請求サイトの使い方

「ズバット」のサイトへ行き

  • 1、「学校のエリア」で居住地の都道府県を選択
  • 2、「現在の状況」で子供の学年を選択
  • その後、「資料一括請求スタート」というボタン(スマホの方は「次へ」というボタン)を押す
  • 住所などを記入すれば、一括で通信制高校の資料を請求することができます。

資料請求はもちろん無料です。興味の無い通信制高校や比較サイトからのメルマガが不要な場合はチェックを外しても問題ありません。

通信制高校の説明会や見学会に行ってみる

比較ポイントを知り、実際に資料請求が出来たらその中で興味のある学校の説明会や見学会に行ってましょう。

 

説明会や見学でチェックするべき5項目

 

説明会や見学の日にちについて

高校の説明会や見学は生徒が登校してこない日に行われることが多いですが、もし、生徒が登校して来る日と来ない日で選べるなら、生徒が登校してくる日を選びましょう。

 

そこで、その高校に通っている生徒は自分の雰囲気と合いそうか、楽しそうに学校生活を送っているかなどを確認してみましょう。私立の通信制ならお願いすれば、生徒の居る日に個別に見学する事も可能な場合が多いですので、遠慮せずに問い合わせてみましょう。

 

教室やトイレは清掃されているか

教室やトイレがきちんと清掃されているかもチェックしてみて下さい。古い高校だとしても、清掃されているか放置されているかはわかるはずです。自分だったら清掃されている高校かそうでない高校かどちらに行きたいか聞くまでもないと思います。

 

遅刻した生徒はどんな感じか、それにどういう対応をしているか

例えば、授業に遅れて来た生徒が急いで入ってきたのか、ゆったり入ってきたのか、それに対して教師はどのような対応をしたか、というのも雰囲気を知る上では大事なことです。

 

これに関して正解はありません。自分がどのような雰囲気で学校生活を送りたいかを重視しましょう。

 

不登校やいじめが心配な方は、カウンセラーや自由時間もチェック

不登校やいじめが心配な方は、生徒の自由時間でも教師が教室にいてくれると安心感があがります。逆に職員室にすぐに戻ってしまう場合は、少し不安になるかもしれません。

 

また、保健室やカウンセリングルームにいるカウンセラーの様子も見て安心して話せそうかもチェックしてください。

 

設備や専門講師はどうか?

専門科目を学びたい場合、高校の設備はきちんと整備されて十分かどうかチェックしてみて下さい。見学会の予定に入っていなくてもお願いすれば見せてくれるはずです。

 

また、パンフレットなどに紹介されている専門講師に関しても、高い頻度で授業を行ってくれているのか、それとも実はめったに講師として活動してないのかもチェックしてください。実際に名前だけ貸しておいてほとんど授業はしないという事例もあります。

通信制高校の選び方まとめ

 

模索して、やってみる

これまで、通信制高校の比較ポイント、比較の方法、見学でチェックすべきポイントを紹介してきました。ですが、なかなか一つには決められないかもしれません。実際に資料を取り寄せながら、現場を見て、そして、子供と親、両者が納得するまで検討してみて下さい。

 

実際に、カウンセラーになった人の中に、通信制の学校に通い、先生達に励ましてもらって、ようやく学校を卒業できたから、自分は通信制の学校でカウンセラーをしたり、その学校の紹介をしたいと言っていた知人もいます。

不登校児 再生の島

1つ興味深い、「不登校児 再生の島」という書籍を読んだことがあります。

 

実際に、現場を見に行ったわけではありませんので、あくまで、書籍に書かれている内容を読むかぎりですが、とても、参考になる箇所がいくつもある本でした。自分達の視点を変えてくれるいい1冊だと思いますので、お手にとっていただければと思います。規則正しい生活を送ることで、情緒が安定するのは、確かだと思います。

 

集団生活をすることで、他人を思いやる心を育み、そして、人と本当に繋がっていくことを学べることも素敵なことだと思います。ただ、難しいところは、それが、全ての子どもに必ずしも当てはまるわけではないというところです。

 

ここの学校では、本人の意思で、「行きたい」といわなければ、入学を許可しないというところが、いいところだと思って、読んでいました。

 

食事を毎回部屋まで運ぶことで、子どもに愛情が伝わる場合もあれば、食事を毎回部屋まで運ぶことで、子どもの自立心を奪ってしまう場合もあります。ケースバイケースなので、学校も同様に、どこがいいかという具体的な方法をお伝えすることはできません。

正解は事前には存在しない

とにかく、模索をしながら、やってみるしかなくて、先に、正しい答えはないのです。どうしても、私達は、どこかに正しい答えがあるんじゃないかと無意識的に思ってしまいます。それが、高度経済成長を支えるための、人材教育として、教え込まれたことだからです。

 

しかし、今はもう、正しい答えは事前にはなくて、1つ1つやりながら、確認して、先に進めるということでしか解決していく方法はないのです。結果として、いい学校が選べればいいなというくらいの想いで学校は探してもらいながら、子どもとのコミュニケーションを意識してもらえればと思います。

 

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という方法で多くの親子が不登校の問題を解決している事例があります。

参考にして下さい。

⇒「不登校解決の方法・事例」の詳細を見る


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