中学生が不登校になってしまう5つの原因と対応
中学生になると思春期に差し掛かることになり、様々な変化に対応できずに学校へ行きたくないと気持ちが落ち込むケースも非常に多くなります。
では中学生が不登校になってしまう要因は、具体的にどのような事柄が挙げられるのでしょうか。
環境の変化特に中学1年
小学生を卒業しから中学生になる時、どちらかというと不安な気持ちの方が強く出始めます。他の地区から来る初対面の同級生など様々な環境の変化が子供に訪れます。
先輩後輩という人間関係
中学生になり、部活やクラブ活動が始まると先輩、後輩という新しい人間関係を築いていかなくてはなりません。今では少なくなりましたが、先輩だからと言って後輩をこきつかったりする中学生もいます。
先輩だから後片付けや準備をしなくていいという日本特有のルールもあります。「なんで1年早く生まれただけで」と心では思っていても、先輩の目では良い顔をしなくてはなりません。
小学生の自由さから中学生の窮屈さへの変化をストレスに感じる場合も多いです。
校則という新しいルール
中学では「校則」という新しい学校のルールの中で生活しなくてはなりません。
いきなりベルトの色は黒しかだめ、髪の毛は定期的に短くしなくてはだめと学校に言われ、子供にとっては何故そうしないといけないのか明確な理由も分かりません。
それを大人や先生に聞けば、「決まりだから」とか「社会に出る準備」といった返答が帰ってくるでしょう。確かに正論ですが、社会に出たことがない子供にとってはなかなか理解できず、モヤモヤを抱えたまま学校生活を送ることになります。
学力を比べられるというプレッシャー
定期テストの存在も少なからず子供にプレッシャーを与えます。小学生までは体力テストや運動会などで順位を比べられることはありましたが、今度は学力を全生徒中で何位なのかはっきりと数字で突き付けられます。
親の期待や本人のプライドが高かったりすると、思うようにできなくてひどく落ち込んでしまう時もあります。
体力・気力の消耗
子どもでも大人でも新しい環境に入ったばかりの時は、頑張らなきゃと張り切ってしまうものです。ですが、中学1年後半あたりになってくると、部活の朝練、授業、部活やクラブ、家に帰ってから宿題。という多忙な生活に疲れ果てて気力・体力ともに消耗してしまうという場合もあります。
学校まで遠い・・・
これは私の話ですが、家が学校から非常に遠く、歩いて40分ぐらいかかる中学へ行っていました。それなのに、朝練や部活の終わる時間、宿題は全員に均等に出されます。
そうなると、家に帰ってご飯を食べたらすぐに眠たくなって宿題をやる気力も底つきてしまっていました。その時は「なんでこんな田舎に家を建てたんだ!」と本気で両親を恨んだこともあります。
いじめによる不登校
中学でおこるいじめは小学校とは異なり過激なものとなり、心身ともに追いやられてしまうことがあるのです。
中学生は小学生よりは大人ですが、まだまだ相手の立場に立って考えたり、加減というものを知らない子供もいます。加えて今までになかった部活動やクラブ活動での先輩・後輩という地位を利用してのいじめも出てきます。
また、昔からあるような陰口・暴力・喝上げなどはもちろんのこと、近年では携帯電話をまだ持っていない生徒を仲間外れにしたり、ネット上のSNSでのトラブルがそのまま現実世界で悪化するというケースもあります。
最近では学校でのいじめが自殺や刑事事件に発展することも珍しくはなく、不登校はまさにその一歩手前の危険な状況であるといえます。
友人などの人間関係
いじめというほどひどい仕打ちを受けたわけではなくとも、友人や同級生との少しのトラブルで人間関係がこじれてしまい、クラスに居づらくなることもあります。
微妙な人間関係
また、特にトラブルが無くても悩むこともあります。小学生まではクラスみんなと仲良く特に気もつかわずに話せていたのに、中学生になるとそんなに話したことがないクラスメイトや同級生と話す時、妙に気を使ったり、急に人見知りになったりという経験はないでしょうか。
例えば、あまり仲良くない人と廊下ですれ違った時「どういう態度をとればいいか、どんな顔をしていればいいのか、気づかないふりしてしまえばいいのか」など、そういう事を考える年ごろになってきているのです。
これは大人なら「あるある」としてよくある話ですし、大人なら「お疲れ様です」とか便利な言葉があります。
思春期になり、「他の人に自分はどういう風に思われているのか」や「本当は嫌われているんじゃないか」と無意識に考えるようになってきています。
問題は、子どもが「周りはの人は自然にうまくやっているのに、こんなことで悩んでいるのは自分だけじゃないか」と思い込んでしまうことです。こういう悩みはあまり自分から親に相談することもありません。
そうなってしまうと、これから先、学校生活を乗り切る自信ややる気がだんだんなくなっていき、学校に行くのが嫌になってしまいます。
漠然とした不安
続いて中学生が不登校になってしまう要因として多いのは、心理的・情緒的な不安に苛まれるケースで、これは前述のいじめが関係しているだけではなく漠然とした不安に襲われて家に閉じこもる場合があるのです。
この漠然とした不安とは、学校環境になじめないことや高校への受験や進学などについて悩みを抱えていることを原因とする場合もあり、また思春期特有の心と体のバランスが取れないことも起因している場合があるのです。
さらに、勉強に対して押し付けだと感じてしまい、それが要因となって不登校になる場合もあるのですが、これは成績が伸びないことや学習内容が難しくなり自身の理解が及ばないことに対する苛立ちであるケースもあるのです。
中学生の不登校の悩みは大人の悩みと似ている
ここまで読んできて分かる通り、「いじめ・体力気力の消耗・人間関係・将来への不安」と大人の悩みとかなり似ている事が分かったと思います。
親ができる対応
なので、子どもが一人で抱え込んでしまう前に、悩みを聞いてあげて「そういうことで悩んでいるのはあなただけじゃない」という事を伝えてあげる事、また、子供が悩みを打ち明けてくれるような関係を築いておくことが大事になってきます。
すでに不登校になっていて、子どもが悩みの原因を話してくれない時は、まず子供の扱い方を見直して、子どもが悩みを話してくれる関係を築いていく事が大事です。決してしつこく学校へ行かない理由を聞き出そうとしてはいけません。
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